2017/11/03-04
忽那〔クツナ〕水軍の足跡をたどるエコツアー報告
11月3日、4日に文化の日、特別企画として1泊2日の防予諸島、忽那水軍の足跡をたどるエコツアーを実施しました。
今回のメインとなるのは、以下の4つのアクティビティです。
①スナメリ、渦潮観察
②防予諸島の探索
③黒岩城トレッキング
④絵馬の拝見
1日目は、スナメリの観察から始まりました。
波も穏やか、条件は最高と、副船長さんのお墨付き。
さてさて、スナメリは見つけられるでしょうか?
窓にくっついて水面を観察していると、あっという間に情の瀬戸へ。
ここでは渦潮を体感しました。
島と島の間は潮流が速く、本流の流れに海水が巻き込まれてできる渦潮。
鳴門海峡の渦潮には劣りますが、間近で見た渦潮は、迫力がありました。
情の瀬戸から野忽那島へ到着すると、お弁当をもって、しばしの自由時間。
天気も良くて、風も柔らかい日だったので、日向ぼっこをしながら海を眺め、のんびりとした昼休憩を取りました。
腹ごしらえも終わったところで、皿山展望台まで登りました。
これがなかなかいい運動に。
上りきると、壮大な景色に気分もすがすがしくなりました。
昼食後は宇佐八幡宮へお参りし、迫力のある絵馬を見学しました。
その後、宿がある中島へ向かいました。
お世話になる宿は、よろいや旅館。
扉をくぐると立派な鎧兜が飾られていました。
夜中に動き出さんばかりの雰囲気の佇まい…
夕食時は、地元ガイドをお招きし、忽那水軍の伝承を傾聴しました。
簡単に説明しますと、『忽那水軍は、藤原道長の子孫である親賢が配流されたことが起源です。さらに親賢の子孫は御家人となり、城郭や要塞を現在の防予諸島に設けました。南北朝期、忽那氏も二手に分かれ争うことになります。北朝を退けた後は、長く南朝の宮方として活躍し、黄金時代を築きました。南北統一後は、豊臣秀吉による四国征伐の際に攻略され、没落したといわれています。』
途中から参加者も熱が入ったようで話がどんどん膨らみ、盛り上がりました。
1日目はこれにて終了。
2日目のスタートは忽那島八幡宮へお参りするところから始まりました。
大きな鳥居をくぐると、大きな御神木が。
1800年代から鎮座している御神木で、
忽那水軍とともに歴史を感じました。
そして、忽那水軍が采配をとった黒岩城までトレッキング。
急な斜面を登ること約10分、頂上に到着しました。
頂上の周りは木々に囲まれていましたが、見晴らしはよく、忽那水軍にとって絶好の場所だったのも分かる気がしました。
トレッキングの後は中島での自由時間です。
レンタサイクルを使いサイクリングを楽しみながら島を楽しむグループ、奉納された絵馬を拝見するグループに分かれ自由時間を楽しみました。
最後は出向前の船の前で記念撮影。
あっという間の2日間。
スナメリは発見できなかったけれど、
参加者と語り部さんとの熱い会話があり、
忽那諸島(防予諸島)の自然、歴史文化、街並みを満喫できました。
また別の季節に行けば、それぞれの島で、様々なイベントも開催していますので、そちらも魅力が満載です。
最後に、来年1月27日にエコツーリズムフォーラムを開催いたします。
詳細は後日ホームページにアップいたします。 (事務局)
2017/09/09
宮島エコツアー ~七浦めぐり~
今年2回目の宮島エコツアーのメインは、七浦めぐりです。
天気も良く、さわやかな1日となりました。
普段は行かない、行けないような宮島の裏側を
クルージングで探索。
また、今回は潮が高く、いつもと違う宮島の景色を見ることができました。
今回も順序は由緒正しく時計回りに。
第一参拝所からの神社は以下のとおりです。
第一参拝所 杉ノ浦神社
第二参拝所 鷹ノ巣浦神社
第三参拝所 腰細浦神社
第四参拝所 青海苔浦神社
第五参拝所 山白浜神社
第六参拝所 須屋浦神社
第七参拝所 御床浦神社
第三参拝所である腰細浦神社では、浜辺に上陸し、清掃活動を行いました。
とりわけ多かったゴミはこの3つです。
・スペーサー(カキ養殖用パイプ)
・プラスチックワッシャー
・ペットボトル
カキの産地として知られている広島ですが、このようなゴミも多くなってしまうというのは何とも残念な気持ちになってしまいます。
今回の腰細浦では陸側を通っての自然観察を行いました。
夏も終わるころですが、木々は青々と生い茂っていました。
船に乗り込んで移動する先は、青海苔浦です。
青海苔浦では、昼食とフリータイム。
アナゴ弁当と作りたてのヒジキのお味噌汁でペコペコのお腹を満たしました。
開けた景色が、より一層ご飯を美味しく感じさせます。
一呼吸ついたら、トレッキングへ向かいました。
沢から流れる水と空気が火照った体を冷ましてくれました。
青海苔浦の清水は、島一番といわれているほどの名水だそうです!
山からの水が宮島の自然を育んでいるのですね。
今回のフリータイムは、多くの方がスケッチをされていました。
見えているものを絵にすると、描き手の個性がよくわかります。
描いていただいた絵は、今日の思い出としてお持ち帰りいただきました。
七浦めぐりを再開すると、ミサゴの営巣を発見‼‼
雛鳥もおり、一生懸命子育てをしているようでした。
元気に育ってくれることを願います。
第六参拝所 須屋浦神社では、なんと鹿が10頭出迎えてくれました!
群れの中には生まれて1年未満の小鹿もおり、母親とともに行動しているようです。
カキ棚もこんなに近くで見れる機会はめったにありません!
宮島の裏側は、ちらほら紅葉が始まっているようです。
これから秋を迎える宮島が楽しみです。
エコツアーの最後は、おなじみ厳島神社の大鳥居で記念撮影。
晴れていて海風が気持ちいい1日でした。
以上、今回は中潮での宮島のエコツアーでした。大いなる自然の力を体験できたかと思います。七浦巡礼の文化と自然を体験するテーマ盛りだくさんのツアーとなりました。
この度も無事故でツアーを終えることができました。
「また来たい」とのお声もいただき、非常に嬉しく思います。参加者の皆様、ツアー実施にあたりお世話になった皆様、本当にありがとうございました!
次回のエコツアーは【防予諸島】を予定しています。
自然・歴史・文化の体感学習をご希望の方はぜひご参加ください。おまちしております!
詳細内容はツアーの活動報告にて掲載してまいります。
事務局:竹中美紀
2017/02/18
第6回 エコツーリズムフォーラム2017
地域着地型観光DMOによる瀬戸内海エコツーリズムの運用
~多様な景観と地産を「なりわい」とする元気な島々の活性化に向けて~
2月18日(土曜日)、「第6回エコツーリズムフォーラム2017 -地域着地型観光DMOによる瀬戸内海エコツーリズムの運用-」を広島教育会館 ホテルチュリッヒ東方2001(広島市)にて開催し、約80名の方にご参加いただきました。
今回のフォーラムの主旨は、以下の通りです。
**趣 旨********************************************************
日本国内は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、外国人旅行者(インバウンド)を対象とした新たなツーリズム構築の為の施策や地域着地型DMOへの活発な動きが見られます。また、瀬戸内海では、平成27年に瀬戸内海環境保全特別措置法の一部が改正され、「豊かな海」を目指して、自然景観と文化的景観の活用と保全に向けた取組みを行う事が定められ、柱の一つに「エコツーリズムの推進」が明記されました。
一方、瀬戸内海の島嶼部や沿岸域は急速な過疎化が進行し、無人島化による古来の風土や伝統文化が消滅し、自然環境資源の管理も不可能となってきた課題が浮き彫りとなっています。
そこで、「第6回エコツーリズムフォーラム2017」では、瀬戸内海における「地域着地型DMO」の、適正で効果的な体制を構築するためのあり方について考えていきたいと思います。
素朴な自然環境資源・文化歴史的資源や景観を観光資源として活用しつつ、従来の地域の価値と賑わいを取り戻すことを目標として、新たな生活システムと経済活動を創生し、人々が「なりわい」としての生活形態が実現するようにエコツーリズムの推進を図っていきたいと思います。
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基調講演では、国土交通省観光庁 観光地域振興部 観光資源課の蔵持京治課長にご登壇いただき、観光庁が進める「日本版DMO」の形成に向けた取り組みについてお話しいただきました。 続いて、当協議会の上嶋英機会長が平成28年度の瀬戸内ツーリズム推進協議会の活動を報告し、今後の地域着地型のDMOとエコツーリズムの方向性についてご説明いたしました。
第2部のパネルディスカッションでは、「瀬戸内海の資源価値を磨き活用し継承する観光スタイルのあり方~地域着地型観光DMOによる個性的なエコツーリズムの運用~」をテーマとし、総合討論を行いました。
パネリストとして、日本版DMOを推奨する観光庁(日本の観光施策)からの提言として前述の蔵持課長、世界(オーストラリア等)の視点から和歌山大学観光学部 副学部長の加藤久美教授、瀬戸内海のDMOの視点から一般社団法人 せとうち観光推進機構の岩瀬俊一事業副本部長、国内のエコツーリズム先進地域からの発信として愛媛県石鎚山系エコツーリズム推進協議の片岡正雄会長、弓削島(愛媛県北東部に位置し、しまなみ海道に隣接する島)で長年ご活躍されている株式会社しまの会社の村上律子代表取締役にご登壇頂き、様々なお立場からのご意見をいただきました。
全体のコーディネーターは、当協議会の上嶋英機会長が務め、今後の瀬戸内海の沿岸海域や島嶼部における「地域着地型観光DMO」の在り方、瀬戸内海島嶼部からの独自の商品(ブランド)の発信、リピータの確保、イベントの開催など、過疎化する瀬戸内海の島嶼部の活性化の在り方、沿岸域や島嶼部の地域観光との関連性、地域の外国人対応(インバウンド)、人材育成と地域活性化への貢献など、地域着地型観光DMOによるエコツーリズムを運用するための貴重な意見や考え方を知ることができました。
フォーラム終了後は交流会を開催し、フォーラム中には聴けなかった話や意見交換ができ、今後の活動に参考となる有意義な時間を過ごさせていただきました。
最後に、お忙しい中足をお運び頂いた参加者及びご登壇の皆様、本フォーラムを開催するにあたってご後援・ご尽力頂きました関係者の皆様には、この場をお借りしまして改めてお礼申し上げます。
今後とも、当協議会の活動にご理解・ご協力の程、お願い申し上げます。
事務局 藤元彰士