2020年(令和2年)ブログ

2020.11.11 

観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在型コンテンツ造成」実証事業に採択されました 

 

瀬戸エコ協が、11月10日付で観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在型コンテンツ造成」実証事業に採択されました。

事業概要等は以下の通りです。

 

事業名称 「スモール瀬戸内海・八木灘の”離島”を中心としたエコツーリズムによる地域活性化プラン」

取組概要

広大な瀬戸内海のスモールスケール版として、豊かな漁場環境を有し、自然景観や文化歴史が育まれてきた”八木灘”と呼ばれる瀬戸内海西部海域、そして、その中央に位置する”離島”である大崎上島をモデルフィールドとする。観光資源を生物文化多様性(地域の豊かな自然と文化が、支え育みあい多様性を紡ぎ出すこと)を育むエコツーリズムの視点から掘り起こし、八木灘沿岸域を“離島”にフォーカスしたコンセプトで繋ぎ、漁業・農業の活性化を促進し、地元でしか体験できないエコツアーを旅行客・来訪者に提供する。

遠方者の“離島”への来島や高齢者宅での民泊には感染リスクもあるため、withコロナ期においては、「近隣地域からの日帰りエコツーリズム」によって、これまで培った農業体験・漁業体験や民泊等のノウハウを活かしたコンテンツに磨きを掛ける。そして、afterコロナ期を見据え、八木灘を囲む3市1町の関係機関がネットワークを形成し、連携したブランディングを図ることで、「遠方からの旅行客を受け入れる滞在型のエコツーリズム」の構築を行っていく。

連携する地方公共団体

  広島県豊田郡大崎上島町、広島県竹原市、広島県東広島市、広島県呉市

その他連携する団体等

  大崎上島町観光協会、竹原市観光協会、安芸津町観光協会、呉市観光協会、せとうちDMO 等

本事業における取組

1.”離島”での日帰り”生活体感ツアー“や”八木灘海域をぐるりと巡る滞在型エコツアー”の実施

2.八木灘の自然と歴史を知るフォーラム「守ろう・楽しもう 八木灘の自然と歴史」の開催(You Tube Live方式)

3.情報発信・プロモーション 

 (地産品のパッケージ開発、HP(日本語・英語版)の活用、プロモーションビデオ作成 等

4.八木灘エコツアーガイドブックとエコマップの発行

 

瀬戸内海島嶼部においては、離島の人口減少、超高齢化による過疎化、無人島化が大きな問題となっています。またこれらによって、これまで培われてきた歴史的・文化的景観や、管理不能となった自然景観が破壊されつつあるのが現状であり、こうした問題への対応が喫緊の課題とされています。さらにコロナ禍においては、来島者の減少に伴う受け入れマインドの低下、各地域単独での名物や土産などのブランドが広がっていかない等が切実な問題となっており、地域コミュニティにおける民泊のノウハウも停滞しつつあります。

本事業は、こうした問題にエコツーリズムの観点から取り組むことを目的としています。当協議会が推進する”エコツーリズム”は、個人志向の少人数の旅であり、自然の中でアクティビティを満喫してもらうものであるため、コロナ禍において求められている「3密の回避が可能な ”新しい生活様式” にマッチした“新しい旅のスタイル”」を提供することができます。また、瀬戸内海西部海域を「八木灘」というコンセプトで繋ぎ、エコツーリズムの観点から掘り起こした地域の資源とコミュニティで培われてきたノウハウを「八木灘エリア」で一体となって活用することによって、自然環境の保全、地域コミュニティの連携と振興、新たな観光ビジネスの展開を推進するものでもあります。当協議会では、本事業の実施によって瀬戸内海島嶼部における様々な問題に取り組むことにより、「新しい生活様式」における自由自在な職住への関心を高め 将来的には移住にも繋げていくことができればと考えています。

 

                                                   (谷本理恵子)

 

 

 


2020.09.11 

「宮島エコツーリズム推進全体構想」認定証が小泉環境相から授与されました

 

写真 左から田中、平口衆議院議員、宮島エコツーリズム推進協議会 

上嶋会長(瀬戸エコ協代表理事)、小泉環境相、村上次長(廿日市市観光課)、田宮氏(廿日市市観光課)                               

瀬戸エコ協では、協議会の創立以来、「宮島」をインバウンド中心のモデルサイトとしたエコツアーに取組み、また、宮島エコツーリズム全体構想認定の支援を行って参りました。2015年には宮島におけるエコツーリズムの推進活動を本格化させ、2017年には宮島エコツーリズム推進協議会を発足。環境省・国交省・農水省・文科省4省庁の全体構想認定に向けて計画策定や協議を重ねて約5年…ようやく認定に漕ぎ着ける事ができました。

全国で18番目、中国地方では初の認定となります。

 

今日は、廿日市市観光課の方々と共に、環境省自然環境局国立公園利用推進室にて、認定式の段取りを伺い、午後から大臣室にて小泉進次郎環境相より認定証を授与されました。

なお、広島2区選出の衆議院議員で、過去のフォーラム開催時にご挨拶にお越し頂いたこともある、江田島ご出身の平口先生が応援に駆けつけてくださいました。

瀬戸エコ協は、同協議会を支援し 今後もエコツーリズムの推進に取り組み、力を尽くして参ります。

 

                       (田中秀宜)



2020.09.11 

「宮島エコツーリズム推進全体構想」が中国地方で初めて認定されました

エコツーリズムの推進に関する全体構想は、エコツーリズムを進めるための枠組みを定めた「エコツーリズム推進法」(2008年施行)に基づき地方自治体が提案を行うもので、これまでに17の全体構想が国(所管官庁:環境省、国土交通省、文部科学省)の認定を受けてきました。

 

「宮島エコツーリズム推進全体構想」は、平成27年(2015年)に準備会を立ち上げ、平成29年(2017年)に協議会を設立。4回の協議会開催を行い、今回認定に至りました。全国で18番目に認定された全体構想で、中国地方では初の認定です。

 

瀬戸エコ協は  本構想の実施にあたる「宮島エコツーリズム推進協議会」の事務局として業務を担い、瀬戸エコ協の上嶋代表理事が同協議会の会長を務めています。

 


 環境省報道発表(2020年9月10日)


ダウンロード
「宮島エコツーリズム推進全体構想」について.pdf
PDFファイル 1.3 MB
ダウンロード
エコツーリズム推進法に基づく全体構想認定状況(令和2年9月現在).pdf
PDFファイル 51.5 KB

(宮島エコツーリズム推進全体構想 まとめ資料)   (認定された18の全体構想のリスト)

 

                                                      (谷本理恵子)


2020.08.11 

内閣府による「地域未来構想20オープンラボ」に専門家として掲載されました

 

瀬戸エコ協が、内閣府による「地域未来構想20 オープンラボ」に専門家として掲載されました。登録分野は「地域商社・観光地域づくり法人(DMO)」および「新たな旅行」です。

 

「地域未来構想20」とは、 内閣府が発表した「地域で取り組むことが期待される20の政策分野」を指しており、「新しい生活様式」の実現等に向け、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用して実施されます。

この20の政策分野における取組を推進するためには、

1.それぞれの分野に関心のある自治体

2.各分野の課題解決に向けたスキルを有する専門家(民間企業等を含む)

3.関連施策を所管する府省庁

の連携が重要であることから、内閣府により  自治体・専門家・府省庁の三者のマッチング支援の場となる「地域未来構想20オープンラボ」が開設されました。このオープンラボへの登録および活用によって、三者間連携の推進が期待されます。

 

 

瀬戸エコ協の登録分野(専門家)の概要は以下の通りです。

Source: 内閣府「地域未来構想20オープンラボ」ホームページ (「専門家を探す」)

 

■分野16 地域商社・観光地域づくり法人

デザインとマーケットセンスを持ったソーシャルデザイナーを地域外から呼び込み、地域商社、DMO、小さな拠点、ローカルベンチャーなどの形で、地域内外のメンバーで協創する場を創業・創設。地域外の視点を取り入れつつ、価値創出のデザインと地域経済力向上を図るビジョンの策定と実行や、持続可能な価値の創出につなげる「地域価値エコシステム※」の実現の推進を支援。

 

■分野18 新たな旅行

宿泊・観光産業が観光地域づくり法人(DMO)とも連携して取り組む「新しい旅行スタイル」(=働き方・休暇改革とも連携しつつ、地域に滞在してその自然、生活文化をゆったりと楽しむ、より安心で快適な旅行スタイル)を実現するための環境整備や新たなビジネス展開を促進する。

 

瀬戸エコ協は、地域活性化と「新しい生活様式」に沿った観光スタイルの確立に貢献致します。ご興味のある自治体・観光事業者の方は、お気軽にどうぞお問合せ下さい。

 

 

 

                                                      (谷本理恵子)

 

 


2020.02.21-22 

「八木灘を囲む島嶼部を渡る大崎上島エコツアー」

 2020年2月21日から22日にかけて大崎上島の沖浦をメインとしたエコツアーを実施しました。今回のツアーのコンセプトは「大崎上島のにぎわいを活性させるために島の方々で再現できるエコツアー」で、特別な事前準備等が少ない公共交通機関を活用しながら行いました。

 

 

 ツアーの始まりは広島バスセンターで、そこから大崎下島の御手洗(みたらい)のバス停で降りて「航」という店で開会の挨拶を行い、昼食を頂きました。昼食は宮島でも有名なあなご飯で、宮島のものに負けない美味でした。御手洗に訪れた際には是非食べていただきたいです。


 

 昼食後は、御手洗の町並み観光です。御手洗は歴史的建造物も多く、江戸から昭和初期までに建てられた貴重な建物が混在しており、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。今回はみたらい観光株式会社のエイミー・シオタさん、NPO法人 安芸灘とびしま海道観光協会の脇坂会長のお二人に町を歩きながらガイドをして頂きました。町並みや、御手洗に縁のある偉人のエピソードをみなさん真剣に聞いておられました。



 

 御手洗の観光が終わった後は、船のチャーターをお願いした惣明さんに船を出して頂き、小大下島(こおげしま)に向かいました。小大下島ではまず石灰石の露天掘り跡地を見学しに行きました。迫力ある景色を見た後は、現在も産業として行われている柑橘系の畑を見ながら、海岸まで出ました。海岸は開けた場所で瀬戸内海の島々を見渡すことができます。石灰岩の欠片が散らばり、白色が目立つ海岸は非常に絶景で、みなさん見とれておられました。波打ち際にはヒジキが豊富に生育しており、人の手が入らないことによって成長した潮間帯生物を発見しました。その後は、島の町並みを見に少し移動です。御手洗の町並みとは違う歴史的な建物を見てまわり、小大下島を後にしました。



 

 大崎上島の沖浦に到着し、惣明さんにご挨拶した後は、きのえ温泉ホテル清風館に向かいました。到着して部屋に入ると窓から瀬戸内海の島々を見渡すことができて絶景でした。身支度をして温泉に入ると、そこからも瀬戸内海の島々を見渡すことができました。標高が高い場所にあるため、島々を立体的に見ることができます。また海が近いため、潮の香りが漂ってきて自然を感じることができました。参加者の方からは「湯船に浸かった時にある位置に座ると、遠くに見える煙突が湯船の柱の木に隠れ、自然物のみが見えるようになって素晴らしい」と伺いました。温泉に来られた際には試しに座る位置を変えてみてはどうでしょうか。

 夕食ではツアー参加者で親睦を深めながら絶品料理を頂きました。



 

 翌朝は天候が悪く雨が降っていましたが、午前中は屋内でのメニューです。屋外活動を行う午後には晴れて欲しいと願っていました。

 ホテル清風館からバスで移動し、沖浦の物産館で開かれている「南の里」朝市に参加しました。朝市には大崎上島の野菜や果物、魚、工芸品等が並び、開始前から地元の方たちで賑わっておりました。「南の里」朝市の開催者の中心である山本さんに保冷バック等を手配して頂き、開始してからは各自で欲しい物を探しお買い物です。落ち着いて来た頃に、地元の方たちと集合写真を撮影して朝市を後にしました。朝早い時間から開催されるため、地元の方が多いイベントですが、島外からの旅行者も温かく受け入れて頂けました。



 

 まだまだ雨は止みません。次は佐々木造船所での見学です。大崎上島の造船産業は100年以上の歴史があり、佐々木造船所も約90年の歴史をもちます。普段見ることができない造船作業の見学ということでみなさん少し緊張気味です。ヘルメットを被り、佐々木総務部長に案内して頂きながら工場内を見学していきます。普段は完成した船が瀬戸内海を行き交う所しか見ていないため、近くで見ると大迫力です。作業場見学が終わった後は、室内での座学となりました。佐々木社長、佐々木総務部長に大崎上島の造船の歴史や、現在の造船業の技術等の紹介をして頂きました。その後、講演後の時間には活発に質問が交わされていました。3月には新しい船が完成し、進水式が行われるそうです。誰でも見学は可能とのことなので、見学されてみてはいかがでしょうか。



 

 昼食の時間になったので弁当を頂きますが、今回の弁当は特別なものです。山本さんを始め朝市の関係者の方々が大崎上島の名産品をふんだんに使って大崎上島弁当を作って下さいました。一つ一つの食材が手作りで、さらに今回はツアー参加者のために弁当のパッケージを地元の高校生が作ってくれました。食材は採れたてのもので美味しく、食べると大崎上島の山や海を感じることができ、また食べたくなります。残念ながら今回のツアー限定の弁当だったため、市販はされておりません。



 

 昼食後はふれあい郷土資料館で大崎上島の歴史見学を行いました。ふれあい郷土資料館は船の形が特徴の建物です。午前中に佐々木造船所で学んだ造船の歴史に加えて、ここでは実際に木造船を作るために使われていた道具等を知ることができます。また造船以外にも島の歴史や、瀬戸内海の写真家である村上宏治さんが撮影された写真も飾られています。今回は展示物に関してきのえ温泉ホテル清風館の角南支配人にガイドを頂きながら見学していきました。ガイドを頂くことで展示物に関する概要をより詳しく知ることができ、関心を持つことができました。



 

 資料館を出る頃には祈りが通じ、快晴になりました。ここからは船に乗って天満港からメバル港に移動し、きのえ温泉ホテル清風館の角南支配人に大崎上島のガイドを頂きながら歩いて中原農園に向かいました。


 

 中原農園ではオーガニックフルーツとして、甘夏を採りました。大崎上島では、みかん、レモンを中心にフルーツ栽培が盛んです。中原農園では農薬、化学肥料を使わないオーガニックに拘っているため、安心して食べることができます。甘夏はまだ、収穫前とのことだったため、非常にたくさん実っていました。今回は中原農園の中原さんに果実収穫のコツや、木のどの部位に実っているものが美味しいのかご指導を頂き、甘夏を採り始めました。どれを採るか迷いながら、各自気に入ったものを食べました。酸味が少しあり、とても美味しかったです。季節が変わると別のフルーツを楽しむことも可能とのことなので、違う時期にも行ってみたいです。



 

今回のエコツアーの終点である垂水港で、一泊二日のエコツアーも終了となりました。一時的に天候が崩れましたが、タイミングが良く、実施できないアクティビティがなく終えられたのは非常に恵まれていたと思います。また地域の方々が大崎上島の魅力を分野ごとに余すことなく伝えて下さったので、それは参加者の方たちにしっかり伝わったのではないかと思います。大崎上島は広く、まだまだ魅力的な場所があります。それらのアクティビティをツアーに盛りこむことができれば、時期や天候、年齢層に合わせてツアーを実施することができます。次回は大崎上島の北側にある内浦地区でのエコツアーを企画しております。そこで新たな魅力を伝えることができればと思います。ご協力頂いた地域の方々、ツアーの進行を円滑にするためにご協力頂いた参加者の皆様にお礼申し上げます。

 

                 記:田村博光



2020.2.13 

「八木灘を囲む島嶼部を渡る大崎上島エコツアー」を開催します!

 

 

大崎上島を中心に周辺の島嶼部の魅力をお伝えする「八木灘を囲む島嶼部を渡る大崎上島エコツアー」を企画致しましたのでご案内致します。

 

主にシニアの方を対象として企画したこのエコツアーは、自然・歴史・文化・産業・生活を楽しみながら体感していただくものになっています。

 

今回のエコツアーで訪問する「八木灘」とは、呉市、東広島市、竹原市、大崎上島町にまたがる海域エリア。ツアーでは瀬戸内の海景を臨みながら安芸灘諸島・関前諸島から大崎上島の南側をチャーター船で巡ります。 知られざる魅力に溢れる島嶼部でのエコツアーに、ぜひご参加ください。

 

   日時:2020年2月21日(金曜日)~22日(土曜日) 1泊2日

 

   金額:¥20,000(お一人様の場合、相部屋とさせていただきます。)

 

   内容:
    ① 御手洗(みたらい)で歴史散策
    ② 小大下島(こおげしま)で自然環境・産業散策
    ③ 橋のない島のホテル きのえ温泉ホテル清風館 (瀬戸内海の島々を見渡せる絶景露天風呂・島の恵みを頂く夕食)

    ④ 南の里「朝市」で地産体験
    ⑤ 佐々木造船所で産業見学
    ⑥ 大崎上島ふれあい郷土資料館で歴史見学
    ⑦ 中原観光農園のオーガニックフルーツ狩りで自然体験
    ⑧ トレッキングで自然体験
 
   お問合せ・お申込みはこちらから setouchi.eco.tour@gmail.com (担当:富田・田村)

みかん農園

産業島

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エコツアーチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

                                                  (谷本理恵子)


  2020.2.8

小大下島踏査

 

 この日は2月末に行うエコツアーで訪れる小大下島(こおげしま)の踏査に来ました。

小大下島は瀬戸内海の関前諸島に位置する有人島で、愛媛県の今治市に属しています。かつては石灰石の採掘で栄え、人口は最大で約650名の島でした。しかし石灰石の採掘量が減少し、鉱業所が閉鎖されてからは人口も減少し、現在は約20名となりました。徐々に廃れてきていますが、各所で魅力的な場所が存在するため、紹介していきます。


 

⚫コバルトブルーの湖

石灰石の採掘は露天掘りで行われていました。露天掘りとは坑道を掘らずに地表から直接掘っていく手法のことで、採掘後には大きな穴が残ります。その穴に雨水や地下からの湧水が溜まることで湖になります。この日は若干曇っており、コバルトブルーより黒ずんでいましたが、非常にきれいでした。


 

⚫石灰岩の欠片が広がる海岸

 海岸には長い年月をかけて削られた石灰岩が多く散らばっています。マーブル色のきれいな石灰岩が自然の影響を受け、角がとれた形はとても面白いです。自分たちの好きな形の石を探すだけでも楽しいのではないでしょうか。今回の代表石はハートの形の石灰岩でした。市販のグッズもいいですが、二人だけのオリジナルの石に名前をかいて飾っておくのもいいのではないでしょうか。長い年月、雨や風などの困難に耐えて形が残っているので、縁起が良いと思います。ただし、風化が進みすぎてヒビが入る可能性も高いので注意が必要です。

 海岸線にはクルマエビを養殖するのに使っていたであろう池と、加工場の廃墟がありました。当時は非常に栄えており、瀬戸内海の島々を見渡しながら仕事をしていた情景が浮かびました。


 

⚫静かな町

 島は半日あれば全域を見ることができる規模でしたが、多くの家が有りました。現在でもみかん等を栽培しながら生活していると思われる家は有りました。しかし大半は空き家で雨戸が閉まっていたり、崩れている家もありました。すれ違う人は2、3人で過去に600人以上も住んでいたとは想像できませんでした。今後はさらに人が減少していくことが予想されます。昔ながらの町並みが失われていくのは非常に残念に思います。その前に何かできることはあるか考えていく必要があると思います。



 

最後に、今回訪れた小大下島のように無人島化が進んでいる島は多くあります。このような現状をエコツーリズムを通じて伝え、関心・興味を持ってくれる人が出てきて、解決のために動く人が増えればと思います。

 

記:田村博光